(釧路新聞へ掲載)

『まるちゃん』

まるです^^

  前回の巷論(コラム)に書きました釧路保健所収容の15才の老犬は、中頓別町の野島さんが飼い主になって下さり、
温かな家でたくさんの仲間たちと一緒に新年を迎えることができました。

 野島さんはこれまでに当会から3匹、命の期限が迫った保健所の犬を6匹引き取り、犬の年令は問わず人に馴れて
いるかどうかも気にしない、どんな犬もみな可愛いと思っている方です。

 釧路振興局動物担当の方から老犬のことで連絡があった時は、あと何年も生きられない犬を保健所に持ち込むような
人に飼われた哀れな犬と思いましたが、「まる」という新しい名前を付けてもらい、今は幸せいっぱいに暮らしています。

 保健所では一定の収容期間内に新しい飼い主が見つからなければ殺処分となりますが、まるは噛む可能性があり
一般譲渡には不適とされながらも、期間を延長し命を繋いで下さいました。

 今でも保健所に入った犬はすぐに殺されると思っている方が多く、保健所に対するイメージは良くありませんが、
保健所が悪いのではなく、自分の犬を物のように捨て、後は知らぬふりの飼い主がいる限り命を絶たれる犬は無くなら
ないでしょう。

 活動を始めた頃は飼い主で幸不幸が決まる犬と、親を選べず虐待を受け命を失う子どもが一緒のように思いましたが、
老人福祉問題に明るい未来が見いだせずにいる日本の現状を反映しているように、昨今は保健所に老犬の持ち込みが
多くなりました。

 非暴力でインドを独立に導いたガンジーは「国の偉大さと道徳的発展は、その国における動物の扱い方で判る」と
言いました。
 道徳的発展をないがしろの経済発展と暴力の力を増しているかのように盲進している日本の指導者たちの心が
健やかになりますよう願うばかりですが、幸せな犬が増えれば幸せな人も増え、安らかな国になると信じて愛護活動を
続けていきたいと思っております。

皆さま、今年も宜しくお願い致します。


記 1月12日 ドッグレスキューしおんの会・代表 福澤