(釧路新聞へ掲載)
星子
星子、ごめんね。2月6日は星子と出会った大切な日なのに今日(7日)気づいたの。
家に居る犬たちはみな生まれた日が分からないから、家に来た日が誕生日。
今まで忘れたことが無かったのに、いくら忙しいとはいえ、わが子同然の星子の誕生日を忘れるなんてお母さん失格
だね。
13年前、アインシュタインと散歩をしていた時に、雪の中から星子を見つけたんだよ。
その日は耳が千切れそうになるくらいしばれる夕方で、赤ちゃん犬の星子たちは舌が伸びて全然動かないから、
最初は死んでいると思った。
家に連れて来て体を温めたり口に息を吹き付けてあげたら、他の兄弟たちはみな次々と生き返ってくれたけど、
星子はいつまで立っても動かないまま。
諦めかけた時に小さな足がゆっくりと動き出して、あの時は本当に嬉しかったよ!
その後は無我夢中で星子たちの世話をして、赤ちゃん犬7匹の子育ては大変で時々めまいがしたけど、みんな無事に
育ってくれた。
小さな時からいつも私を見つめている星子。
星子が生後2ヶ月くらいの時だったと思う、ソファに座る私の横で、体を伸ばし安心しきった様子で眠る星子がとても
可愛くて愛しくて。
「私の知らない所で、こんなに可愛い犬たちが捨てられ死んでいる。可哀想に死んでゆく犬たちを何とかしてあげたい。」
と思ったのが、しおんの会を始めるきっかけなんだよ。
でも、保護活動を始めたら、悲しい犬にたくさん合うことになると思うと、勇気のないお母さんはなかなか踏み出せな
かった。
悩んで迷ってそれから4年後にしおんの会を作って活動を続けて8年。
捨てられたり保健所に連れて行かれる犬は無くならなくて、色々考えたら切なくなるけど、お母さんの力の続くかぎり
頑張るね。
保護犬のことが先になって、星子には我慢してもらうことが多くてごめんね。
1日遅れたけど、誕生日のお祝いに肉を買って来たから、アインシュタインとユウヒにもお供えしてみんなで食べようね。
星子、いつもそばに居てくれてありがとう!
星子と出会えて幸せだよ。
2月7日記
ドッグレスキューしおんの会 代表・福澤