(釧路新聞へ掲載)
ドイツの犬事情と老犬チビタについて
同じ人間なのにドイツではできて、どうして日本ではできないのだろうとずっと思っていました。
日本では毎年20万匹以上の犬猫が殺処分されていますが、ドイツでは殺処分は行われていません。
各地にティアハイムと呼ばれる保護施設があり、収容された犬は飼い主が見つからなくても終生飼育が
約束されています。
犬たちはストレスの無いようにそれぞれ広い室内で過ごし、動物病院や運動場のほか、虐待を受けたり
噛み癖など問題行動のある犬のためのリハビリセンターもあり、手厚い世話を受けています。
飼い主の責任も重く1匹の犬につき15,000円の犬税が課せられていますが、充分にしつけされた犬たちは
公共の乗り物に乗車しレストランなどにも飼い主と一緒に入ることができます。
ドイツでは人が人間らしく豊かに生きるために犬は必要なパートナーという意識があり、社会全体に犬が
溶けこんでいてドイツの犬は本当に幸せと思います。
日本も見習えばいいのに…と単純な私は思いますが、原発の被害で多くの人が苦しんでいるにもかかわらず
当事国の日本がぐずぐずしている間にドイツは原発廃止に向けてすぐに政府が動きました。
同じ人間なのにどうして…という疑問は少し解けたような気がしますが、動物たちの命を救うことには繋がらず
今こうしている間にも沢山の命が失われています。
先日、中標津保健所に一軒の家から5匹の犬が持ち込まれ、しおんの会で2匹を保護しました。
どの犬も哀れですがそのうちのチビタ(雑種オス)は年齢が15才とのことで、後数年の命を見守ってあげられ
なかったのだろうかと憤りを感じています。
成犬の飼い主探しは難しく、現在成犬2匹の譲渡が滞っている上に高齢犬を…とずいぶん悩みましたが、
終生飼育を覚悟し保護することに決めました。
チビタは年齢のわりには若々しく足腰がしっかりしており、とても人なつこい犬です。長年住み慣れた環境が
突然変わった事をチビタがどのように感じているか分かりませんが、幸せにしてあげたいと願っています。
2月16日 記
ドッグレスキューしおんの会 代表・福澤