(釧路新聞へ掲載)

ツキヤとセイヤ

左:月野(ツキヤ)・右:星野(セイヤ)

今、私の家には2匹の子犬(生後3ヶ月位)月野と星野がいます。

10月末に保護した時は疥癬症が酷い状態で、体中かさぶたとふけだらけの上に、
1匹は左前足半分から下が切断され、傷口から骨が見えていました。
2匹は栄養状態も悪く、ぐったりしているか、一日中鳴きながら体を掻いていましたが
足の不自由な子、星野は前足が使えないため体を床にこすりつけていました。

疥癬症はヒゼンダニが原因の皮膚病で、ダニが皮膚に潜虫し増えていきますが、
体から落ちたかさぶたやふけからも感染するので、体や居所をいつも清潔にするのが大事です。
人にもうつるのでゴム手袋を着用して触るように言われましたが、
傷んだ体に直接手で触ってあげる方が安心するのではと思い
素手で体を洗ったり、薬を塗っていました。
毛を丸刈りした方が治りが早いと獣医さんに教えて頂き、二度丸刈りして
治療をしたところ、2匹の体はきれいに、とても元気になりました。
月野はすばしっこく、星野も包帯の上から手製のカバーをはき三本足で器用に駆け回っています。
足の傷口もだんだんと新しい皮膚で被われてきているので、包帯をはずす日も近いでしょう。

丸刈りした時に寒いと思い、しおんの会会員さんや仲間の飼い主さんたちに
犬の服のお古を呼びかけたところ、たくさんの服や励ましの手紙が届き、
中には肌に良いダブルコットンガーゼという生地で服を作ってくれた方もいました。

これまで保護した子犬の中で一番悲惨な状態の2匹でしたが、
これほど多くの方から愛情と応援をいただいた子たちは他にはいません。

疥癬症が良くなったので、最近はわが家の犬たちと一緒に散歩をしています。
足の不自由な事など全然気にせず、大人の犬たちに追いつこうと
一生懸命に走っている星野の姿に感動しています。

寒さが厳しくなり夜空が澄んで見えるこの頃ですが、月野と星野に
良い飼い主さんが見つかりますようにと願いながら、犬たちと散歩しています。

平成24年12月11日記


  ドッグレスキューしおんの会 代表・福澤